2015年4月6日月曜日

第2回 あえてドイツ車ではなく「日産」にしてみる

  前回はアウディで決まり!という主旨だったのですが、肝心の選ぶべきモデルは「A4アバント」なのか「A6セダン」なのか、はたまた「A5スポーツバック」なのかを書かずじまいでした。結論としては「A5」も「A6」も5,000km程度の新品同様の低走行車が400万円程度の値札つけてますから、とりあえずアテンザやレガシィを買うくらいの価格で収まりますので、気に入ったボディタイプを選べばいいんじゃないですかね。見た目が若そうな人が綺麗な塗装のA6セダンに乗ってるとカッコいいですよ。デザインがイマイチなメルセデスEやF10型BMW5よりも断然に知的にみえます。「A4アバント」から上のモデルのボディタイプが豊富なのがアウディの特徴で、しかもどのタイプでもデザイン的に「ハズレ」がないです。一方でメルセデスやBMWはというと・・・街中や駐車場でいちいち被るのが「意識高い系」からするとうっとおしいです。


  「とりあえずクルマなんて何でもいい!」けど絶対にダッさいのだけは勘弁!というごくごくありがちな条件で探せば70%くらいは「アウディでOK!」だと思うのですが、さらなる強烈な個性を求めて「残りの30%」に突き進むとしたら、次に注目すべきは・・・「日産」ですかね。とりあえずR35が好きでそこそこお金があるならこれに乗っちゃえばいいかも。 ポルシェもジャガーもアストンマーティンも黙らせる「最強のGTカー(グランドツアラー)」は非常に高いテンションが長く維持できるであろうクルマで、おそらくすばらしい選択になると思います(後悔する人も0人じゃないでしょうけど)。やはり何だかんだいっても長くクルマを楽しむには、他に負けない絶対的な性能の有無が大きいです。BMWやメルセデスの「カス」グレードって最初はテンション高いかもしれないですが、間もなくあまりの中途半端さに気がついて、わずか3年も我慢出来ずにクルマとそれを売ったディーラーに不満爆発っていうケースは非常に多いです。BMWやメルセデスのベースグレード車は、カス過ぎて価値か感じられないので、そこのディーラーに勤めている人も状態の良い中古車が入っても興味が無いので誰も買わないらしいです。



  「意識高い系」としてはそんな「地雷」のようなクルマは絶対に避けたいところです。現行の日産でそんな「地雷っぽい」モデルはというと・・・スカイライン200GT-tでしょうか。いやあれは「地雷」というよりも日産が最初からポリシーを捨てている「クズ」なので、ステアバイワイアをオプションで装着したモデルでも無い限りは最初から「スルー」。A250、CLA250に使われる2Lターボ(211ps)の縦置き版を使うスカイライン200GT-tですが、乗ってみるとこのエンジンがとても弱々しくて「興ざめ」なんです。AクラスやCLAクラスのサイズならそれなりに説得力があるパワーを持っていると言えますが、少々細かい話をすると、骨太な設計でDセグでも最重量級に属するスカイラインでは、メルセデス車と同じギア比では全く通用しません。



  車重1500kg(一応軽いつもり)の「A250シュボルト」の場合、アクセル(なぜかフィールはフニャフニャ)を中度まで踏み込むと、まるでキックダウンが始まったかのようにエンジンが「震えて」「唸り」始めますが、もちろんキックダウンではないので、ギアが下がったというわけではなく、ターボチャージャーがその存在を一気に主張したというだけです。出力そのものを評価するなら1500kgの車重には少々の余力は感じますが、果たしてこの「ドタバタ」っぷりが高級車のエンジンとして認められるべきかどうかは疑問です。あえてメルセデスの立場をフォローするならば、「エコ」「スポーティ」を現実的かつ大胆に追求したら、こんなエンジンになりました!ってところでしょうか(まあ買う買わないは別として、一応納得はできます)。つまりダウンサイジングターボで燃費を稼ぐためのカラクリは、結局のところ安易に低速ギアを使わないってことみたいです・・・。けど繰り返しになりますが「スカイライン200GT-t」に関してはバランス面で不満が残ります。


  高級車ならばやはり商品価値を示すものとして「豊かな加速」があると思います。ダウンサイジング必須のご時世での「妥協ない加速」へのソリューションは、ドイツ「御三家」のアプローチを見てもそれぞれに少しずつ違っています。「メルセデス」はターボとギア比に主眼を置いていて、「BMW」はL7シャシー(現行1~4シリ用)の投入とともに、軽量化でパワーバランスの改善に努めていて、「アウディ」はクワトロとそれに付随するトルクベクタリングの改良に取り組んでいます。あくまで「加速」へのアプローチであって、デザイン・パッケージ・ブランディングといった要素は考えない上での話ですが、「メルセデスはレクサス」に近くて、「BMWはマツダ」「アウディはスバル」ということができるかもしれません。まあレクサスの場合は「電気式」のターボですけど・・・。あくまで「3組」ともにクルマの方向性がちょっと似ているだけです。大概はお互いに意識し合って反目していますし、



  我ながら日本車で例えて比較するなんて庶民的でいやですね。レクサス・マツダ・スバルの3メーカーの「現在地」で単純に「加速」に関して比較するならば、とりあえずはスタートラインからして十分に世界的にも高い水準に達しているのがスバルということで、「アウディこそが正しい!」と結論するのはやや手前味噌でしょうか。やっぱり少々浅はかな気もするのですが、アウディは高級車の素性としては「筋が通っている」ととりあえず言っちゃいます(そんなにクルマって単純なものじゃないとは、「意識高い系」ですから当然にわかっていますよ!)。そんな「スバル=アウディ的」なAWD技術こそが「クオリティカーに価値を与える」のだと積極的に評価するならば・・・この両ブランドと肩を並べ、なおかつ凌駕する技術を持っている日産(と三菱)も、同じように高く評価されるべきブランドです。もちろんこんなのは日産の魅力の一部に過ぎず、もっといろいろと奥が深いクルマ作りをやっていて、あまりの突っ走りぶりに評論家もファンも追いつけない部分もあります(例えばステアバイワイアとか・・・)。それでも総合的に見てずっと長く「誇りを持って乗れるブランド」として、真っ先に思い浮かぶ日本メーカーが日産です。いまでもシーマやセドリック、グロリア、あるいはスカイライン(32~34)やシルビア(13~15)を誇らしげに乗っているオッサンはそこら中にいます。



  日産は大型セダンのデザインに定評があります。1999年に発売された最終型セドリック(34型)は今なおEセグの傑作デザインとして、見る人に強烈なインプレッションを与えます。しかしこのクルマは2004年に生産を終了しており、「意識高い系」としては普段使いのクルマに10年落ちを採用するのは、「安全性」などを考慮すると残念ながら対象外ですね・・・。とりあえず後継モデルとして50型(2004年~)と51型(2009年〜)のフーガがあります。50型はややデザインの「アク」が強く、51型は当初からロングボディ版をシーマとする予定があったようで、「プライベート感」があまり無く、「組織のクルマ」然としていてやや「暑苦しい」(重苦しい?)です。アウディに比肩するような「絶妙なセンス」が光るクルマとしては2007年に登場した「GT-R」くらいだったのですが、フーガよりも一足早く新世代デザインとなった現行の「37型スカイライン」は、「34セドリック」を彷彿とさせる「伸びやかなデザイン」と「絶妙なプライベート感」を上手く受け継いでいて「意識高い系」からみてもかなりツボです。まあV37スカイラインを街中で乗り回しているオッサンの風貌には一言二言・・・あったりしますけど。そこが悩みどころですかね。HV&ターボになってドドっと売れてしまって結構多く走っているんですよねV37は・・・。



  V37スカイラインを転がしてる小金持ちなオッサンと差別化されるための、なんかいい方法はないかな・・・? とりあえず「インフィニティマーク」を外して「NISSANマーク」を付けてみましょうか。まあいちいちそんな事が気になる人は頑張って背伸びしてGT-Rを買うしかないのかも。500万円のV37と1100万円のGT-Rの中間くらいに位置するクルマ(800万円?)があると嬉しいですが、北米向けフーガの5.6LのV8(420ps)を積んだ「限定モデル」なんてどうですかね。出来ればエクステリアにも手を加えて欲しいかも。V8フーガの北米価格が$63,000くらいなので、スカイラインの車格のV8搭載車なら日本価格で計算するとザっと本体価格で750万円くらいでイケるんじゃないですか? あと問題は「誰が買うのか?」というのと、「レクサスRC-Fのエンジンに勝つためにはそれなりの準備期間が必要」という現実的な2点があるわけですが・・・。



  そういえば「意識高い系」のセンサーに嫌でも引っ掛かってくるAMGから、3種類のCクラスベースのモデルが出るのだとか。先代までは「6.3L・V8・NA」というなかなか艶のあるスペックだったのが、今回は新開発の「4L・V8ツインターボ」をつかったのが2種と「3L・V6ツインターボ」だとか。V6の方は「C45AMG」になるそうで、「45」と聞いて「A45AMG」用の縦置きで代用するのか?AMGがFRに直4載せるのか?と心配しましたが、さすがにGTサルーンを専門に作る名門チューナーですからそんな暴挙はなかったです。正直言ってホッとしました。AMGとアルピナこそが「本物」で、ベースのメルセデスとBMWは・・・・に過ぎないよ!なんて「憎まれ口」を叩く年齢でもないですけど、ブログだとそんなことも言えちゃう!イヤイヤ!ベースモデルでも十分に「クルマ」です!



  さて日産には「C63AMG」が抜けた大排気量NA搭載のGTセダン部門を、スカイラインベースで補って欲しいです。これまで「スカイラインの素性」とかウルサく言ってくるオッサン・ユーザーを片っ端から切り捨ててきたのだから、もっともっと話題を振りまいて「こんなのはスカイラインではない!」とぶーぶー言わせてはどうですかね。「インフィニティ」の成功の為にも、スカイラインの魅力をもっともっと引き出すグレードを作ってもらいたいです。


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