2015年4月22日水曜日

第4回 ボルボ 上級モデルの知性は悪くないかも。

  前回はレクサスについて少々失礼な内容?もあったようで、ちょっと申し訳ないと思っております(意識高い系だって反省くらいします!)。もちろんレクサスが一流のブランドだからこその真摯な意見であり、とっても魅力的なブランドですし、もう何度も試乗させてもらいましたし、現行ISは結構真剣に検討しましたし・・・。

  今回はその埋め合わせにはならないかもしれないですけど、レクサスの素晴らしさがよくわかる?クルマを今回は紹介しましょう。といってもレクサスブランドではなく「ボルボ」なんですが・・・!!そもそもレクサスは少々独特な立ち位置にあるブランドで、2005年の日本上陸当時はドイツプレミアムのパクリなんて言われてました。しかしそれ以後の10年足らずでFR車にもV8・V6・直4の3段階のHVを展開するようになり、今ではドイツプレミアムに対して「時代の変化」を提案する側に回りつつあります。

  将来的に日本を走るプレミアムカーが、HVになるのか?ディーゼルになるのか?の帰趨が決まるタイミングが近づいているのは間違いないです。少々一般論染みてますけど、両者のメリット・デメリットを改めて挙げると、高速道路を定速巡航する分にはHVのメリットは生かせないのでディーゼルが有利ですが、日本では大抵は誰でもやっている「街中でチョイ乗り」に関しては、恐らく故障のリスクという意味で圧倒的に自然吸気エンジンを使っているHVが断然に有利なはずです(もちろん通常使用ではディーゼルの方が寿命は長いのですけど)。

  とにかくターボエンジンというのはエンジンが暖まる前に停止すると、ノッキングにつながりやすいですから・・・身も蓋もない言い方ですが、「日本みたいな『信号地獄』でターボは乗るべきではない!」です。日本仕様だからセールスのためにもとりあえず「アイドリングストップ」を付けておこう!なんてあまりにも安易過ぎて「ありがた迷惑」なメーカーもあります(マツダとBMW)。そんなデタラメな発想を全く警戒することなくBMW320dとか買って「OFF」にしておけばいいのに、街中での発進時に故障したかのような酷い始動音を響かせているクルマも見かけます・・・カスが溜まりますよ!。それと全くの余談ですが、マツダデミオXDを買っている人はディーゼルターボは実は「チョイ乗りがNG」ということを知っているんですかね?

  まあここまで書いてしまうとお分かりだと思いますが、現状ではレクサスが猛プッシュするHVには、現状では大きな死角は見当たらないんですよね。高速道路なら1000kmを無給油で走る!と謳うディーゼル車も結構ですけど、例えば首都圏にお住まいならば、自宅の周囲の100kmくらいはHVが圧倒的に優位なのは間違いないです。だから「くだらねえ評論家の話なんぞ無視してレクサスのHVが一番!」って言ってしまってもいいのですけど、トヨタだけが持っているHVのバリエーションの勝利!ではなんだか「反則勝ち」みたいなので、なんかツマラナイですよね。もし実際に180psくらいのガソリンターボを使った「レクサス」があったとしたら一体どんなものなんでしょうか? なんか今回はいつになく真面目な感じになってしまいましたが、続けます・・・。

  ドイツ御三家(メルセデス・BMW・アウディ)とレクサス。この既存勢力に対して、次世代のプレミアムカーを「鋭意製作中」というブランドがいくつか控えています。特に来年・再来年くらいの内に大きなインパクトを起こす可能性があるのが、「ジャガー」「アルファロメオ」の2ブランドです。リーマンショックで多くのブランドが淘汰されて、プレミアムな中型車を売り続けるのが、日独の「5大プレミアム」に限られる!という冬の時代もありました。しかし新興国での需要拡大が予測される中で、参入すべき市場を求めて年産500万台クラスのグループが再びプレミアム市場で復活しつつあります。特に日独5ブランドに対する「大いなる不満」を溜めた世論に後押しされて?やっと出てきた伝統の自動車産業国であるイギリスとイタリアからの反撃は、噂によると相当にツボを心得た設計になっているとか・・・。

  ジャガーはフォード資本から脱却していますが、実質的にフォードのプレミアムブランドとしての地位で、北米でもしっかり地盤を築いています。で一方でアルファロメオは成長著しいフィアット・グループの世界戦略「プレミアムブランド」として、なにやらマセラティのシャシーを使ってFR車を復活させるらしいです。どちらも世界の頂点を見据える巨大グループによるプレミアム参入への楔となるブランドになるでしょうか。この両者についてはまた改めてその中身についてぶっちゃけていきたいと思います。

  そんなトレンドの中で、フォードの傘下・関連を離れて独自の道を歩み始めたボルボは、新たにトヨタの系列部品メーカー群に援助を求めました。これまで使っていたフォードのエコブーストを段階的に置き換えていく方針で、トヨタ傘下のデンソーと共同開発したターボエンジンと、同じくトヨタ傘下のアイシンAWが作る8速ATを新たに採用して、いよいよボルボのオリジナルの駆動系ユニットを手に入れました。ただしそれはレクサスと同じ部品メーカーによる同等のミッションと、エンジンの担当も今後はレクサスでもベースグレードで使われるとみられる2Lガソリンターボを担当している部品メーカーの手によるものです。

  そういえば、レクサスのターボ第一号は横置きエンジンのNXでした。中国での需要が高まっているプレミアムSUVということで、将来的には中国での増産も視野に入っているとか。ボルボも現在は中国資本であり、スウェーデンの工場に加えて中国にも製造ラインを増設する方向のようです。これまでトヨタのラインナップになかった横置きの2Lターボである程度まとまった数を出すためには、部品の共通化などいろいろな判断ができるはずです。そう思って調べたところ、レクサスの直4の2Lターボは86mm×86mmのスクエアになっていて、スバルの水平対抗4気筒の2Lエンジンとシリンダー口径などが一緒でターボチャージャーなどは共通化できそうです。しかしボルボの2Lターボは82mm×93.2mmでした。それでもデンソーが主要部品を手掛けることで、エンジンに関してはあれこれと部品の共通化ができそうです。

  ボルボと同じでフォード傘下から離れて、独自の駆動系ユニットを開発して存在感を発揮しているのがマツダです。ボルボもマツダの活躍を横目で見ながら、日本や欧州でいぶし銀の存在感を誇るブランドへと脱皮を図っているところのようです。トヨタとホンダが掲げたHVによる日本市場占有に、世界最高レベルのディーゼル&ガソリンエンジンで「待った!」をかけたマツダをお手本にして、やや奔放な開発姿勢が見られるプレミアム市場に、トヨタ系のパワーユニットとマツダが鍛えたシャシーを使った「ハイブリッドブランド・ボルボ」が北欧の知性で勝負をかける!ってのはなんだかロマンがあります。なんかボルボに乗るのも「悪い気がしない」です。中途半端なドイツ車や日本車なんかよりもよっぽどいいですね!やはり「乗る理由」ってのがクルマには必要です!

  ちなみにトヨタ由来の駆動系を積んだ「S60T5」の本体価格は455万円です。FFですが245psを発揮するので、BMW328i(604万円)と同等の性能を持ちます。ちなみにボルボの最大の特徴はマツダがお手本にしたという抜群の足回りのフィールです。ノーマルグレード同士で比較すれば、BMWやメルセデスの同クラスよりも断然に乗り心地が良いです! ちなみにBMWの「Mスポ」にあたる、フラットな乗り心地の「S60T5・Rデザイン」は520万円です(328i・Mスポは620万円)。意識高い系としては専用パーツがバッチリ付いた「Rデザイン」がいいですね!


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