2015年4月14日火曜日

第3回 新生レクサスはなかなかいいのだけど・・・

  「アウディ」「日産」と2つのクオリティが眩しいほどに光るブランドを紹介してきましたが、今回はややテンションを下げて、といっても「休憩」じゃないですけど、日本が誇るプレミアムブランド「レクサス」に迫りたいと思います。このブランドは人によって毀誉褒貶が激しくてなかなか選びにくい部分もあります。また面倒くさいことに、とりあえず「レクサスを買うなら絶対にLSだ!」と頑固に譲らないクルマ好きなオッサンっていますよね。確かに彼らの言う事にも、まあ一理あるのは間違いないのですが、それはあくまで「2014年までのレクサス」での話だと断言します。「これから」のレクサスはというと・・・ズバリ!「2ドア」こそが最大のブランドのテーマになってくると思います。

  もちろん今も昔もレクサスとは、4ドアのLSみたいなどっかの会社の社長が乗るためのクルマを、日本でもたくさん売ることで商売が成り立っているブランドです。しかしそういうソーシャルな部分でクルマを売るのだったら、日本でわざわざ独自のディーラー展開などせずに、法人向け事業部がトヨタブランドからセンチュリーやセルシオを売っておけばいい気もします。トヨタが敢えてお金をかけてディーラー網を整備してまでレクサスを日本に持ってきた狙いは、当時(2005年)の段階ですでに成功を確信しつつあったハイブリッド車を、さらに富裕層に喜んで買ってもらおう!という「仕掛け」だと思います。

  よく「レクサスはドイツプレミアムのパクリだ!」と揶揄されましたが、実際のところはドイツ流の「クーペスタイルGTカー」を作るよりも先に、プリウスやSAIといったトヨタブランド初期のHV専用車を軽く化粧直しして「CT200h」や「HS250h」として商品化してきました。この展開はどう考えてもドイツプレミアムとは違う方向を向いています。そして当然のことながらこの「動き」はコアな自動車ファンや評論家だけでなく、一般のクルマが何となく好きな人々からも否定されました(トヨタを高く売りつけるための子供だまし!)。そして我々のような「意識高い系」としても、レクサスは絶対に近寄ってはいけない・近寄りたくない「NG車」「NGブランド」としてリストアップされました。

  整理すると「2014年までのレクサス」とは、トヨタのクオリティカーを移植した「コンサバ」なモデルと、トヨタの大衆車をベースにした「イージー」なモデルによる、混成ラインナップ、つまり構造的に「ハイブリッド」なブランドでした。そしてそれと同時に「組織の権力にふんぞり返ったオッさん」と「セレブ願望が強過ぎるオバさん」をメインターゲットにしたブランドに過ぎませんでした。見た目はやや高級そうですが、中身はというと・・・「お砂糖たっぷりのミルクコーヒー」か「N◯Cの鈍臭いデスクトップ」のようなぬる〜い商品ばっかり!どっちのサイドの商品も「意識高い系」のテンションをガタ落ちさせてくれる、ダサい一般人御用達の「機能性ゼロ&センス最悪」の商品に見えます。おぇ〜・・・。

  そんなクルマを使っている自分が周囲からどう見られるか、なんて特に何も考えていない「典型的な日本人」だけが盲目的に喜びそうな「地味な」ラインナップばかりなのに、そんなレクサスが「プレミアムブランド」を堂々と名乗る神経にはイラっときます。これはちょっと違うのでは?・・・アップルから主力商品として「iガラケー」が発売されているかのような、まったくもって「あり得ない状況!」です。ちょっと騒ぎ過ぎでしょうか。まあもちろん気に入らないならば乗らなきゃいいだけの話ですけど。レクサスは徹底的にマーケティングがトヨタ流だから・・・といったらそれまでですが、従来はトヨタを買っていた客を「セレブ!」とおだてて単価を上げることが、そのまま「目的化」してしまったブランドの存在意義がわかりませんでした(そんな◯◯ばっかりのディーラーのサロンでくつろぎたいですか?)。これまでのトヨタには無かったような画期的なクルマで、ポルシェやベントレーの客をごっそり奪う!くらいの野心(崇高な理念)は無いのか?

  そんな流れが変わる契機となったのが、限定発売されたレクサスLFAが世界に向けて発表された以降で、トヨタが本気になればスーパースポーツだって出来ますよ!と全世界にアピールしておいてから、いよいよ欧州の名門プレミアムブランド&ラグジュアリーブランドに本格的に「宣戦布告」という運びになったようです。といっても2015年現在になってもまだまだ肝心な「クオリティカー」がほとんど揃ってないですけど・・・。それでも昨年末に発売された「RC-F」はこれまでのレクサスの「コンサバ」or「イージー」なモデルとは一線を画した、「一級品のGTカー」といってもいいクオリティマシンです。先代ISにも「IS-F」という8気筒のGTカー志向なモデルがありましたが、シャシーと足回りがパワーを受け止められない!で片付けられてしまう、なかなか残念なモデルでしたから・・・。

  なにより悲しいのは、レクサスはアメリカでそこそこ成功し、日本に上陸しても「プリウスもどき」がそこそこよく売れて一定のポジションを得たわけですが、やはりというかべきか欧州で全く相手にされず、そのことにショックを受けて本格的な「GTカー」作りをする流れになったことです。日本のレクサス・ユーザーのレビューを読んでいると、どんな内容のクルマであれ「レクサス」でありさえすれば良い!かのような「消費動向」がなんとなく見られます。そしてそれとは別にハイエースやアクアにレクサスマークを貼って満足する人もいるようです(これはネタでしょうけど)。しつこいようですが、そういう悪趣味なこと全てがなんだか「悲しい」を通り越して、日本人として情けなく感じてしまいます。試しにダイハツ製の黄色ナンバーをレクサスブランドから発売してみたらどうでしょうか?200万円超えてても余裕で売れちゃいそうで怖いです。実際に日本ではメルセデスのブランドですよ!という触れ込みで250万円くらいする三菱製のコンパクトカーがそこそこ売れちゃいましたから・・・。

  さて日頃感じているイライラについてムキになって語るなんて、我ながらあまりに「生産性低い」ことやっててちょっと嫌になります。ということで単刀直入に「意識高い系」にとって「レクサスとの付き合い方」についてズバっと結論させてもらいます。まずレクサスの「コンサバ」な4ドアに乗ると・・・まあ「経費で買ったのかな?」なんて見られるのがオチです。一方で「イージー」な廉価モデル(NX、HS、CT)に乗っていると、「・・・・なヤツだ」と言われるのがこれまたオチです。なので「意識高い系」としては、「2ドア」(経費算入が「?」ですけど、それがいいのです!)でトヨタの技術が惜しみなく投入されていて、ドイツ車を相手にしても全く引けをとらなくなった「新生レクサス」から続々発売されるであろう「第3のレクサス」を選びたいと思います。できればもうちょっとラインナップを増やしてくれれば嬉しいけど・・・。


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